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高山の「復興レストラン・女川 すえひろ」-開業から半年、人気メニューも定着

末永さん夫妻。手にしているのは「仙台麩」と人気メニューの「仙台油麩丼」

末永さん夫妻。手にしているのは「仙台麩」と人気メニューの「仙台油麩丼」

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 宮城県女川町(おながわちょう)出身の末永賢治さんが経営する「復興レストラン・女川 すえひろ(高山市国府町金桶、TEL 0577-72-5969)」が12月21日、オープンから半年を迎える。宮城県と飛騨の食材を使った「本場・仙台の味」が評判を呼び、人気メニューも定着してきたという。

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 東日本大震災の津波被災地で、人口比で最も人的被害の多かった同町。末永さんは同町で洋食店と民宿を経営していたが、「家も店も車も跡形なく全て流された。町の約80%が津波で壊滅状態となり、たくさんの大切な人を失った。強い余震のたびに、生き残った乳幼児の孫を抱えておびえる避難所生活がとても辛かった」と振り返る。

 3月末、飛騨に住む友人を頼りに家族ら7人と高山に移り住んだ。料理の腕を生かした職を探していたところ、「そういう事ならば」と空き店舗や調理機材を貸してくれる話があり、6月末にはレストランのオープンにこぎ着けた。「本当にうれしく、ひたすらありがたかった」と末永さん。

 レストランの屋号「すえひろ」はかつて経営していた洋食店の名前。妻・とし江さんと娘・理香さん、同じく宮城県から避難してきた女性ら数人で店を切り盛りする。メニューはラーメンや丼、うどんなど約30年前に女川町で開店した当初のメニューだという。

 店舗面積は約19坪、席数はカウンター=10席、小上がり=8席、テーブル=12席の全30席。メニューは「なめこうどん」(500円)などのほか、「みそ焼きおにぎり」(100円)、「米めん」(650円)、「仙台油麩丼」(650円)、「仙台みそ味のから揚げ定食」(850円)など、飛騨ではあまりなじみのない珍しいメニューも並ぶ。

 注文の多いメニューは「仙台麩丼」だという。「仙台麩(油で揚げた麩)」に笹(ささ)かまぼこ、飛騨産ジャンボナメコなどを卵でとじた丼で、物珍しさと味の良さで人気を集めている。辛口の仙台みそに高山の極細ちぢれ麺を合わせた、「みそラーメン」(700円)もリピーターが多い。

 末永さんは「女川町は最近、39歳の若い町長が誕生した。復興はなかなか短い期間では難しいかもしれないが、故郷のために是非頑張ってほしい。自分もこれまで同様、被災地域への炊き出しや救援物資の配送など支援活動を行なっていきたい。」と話す。

 営業時間は10時~16時。月曜定休。

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