高山の「はとタクシー」（高山市名田町）が6月1日、スマートフォン向けアプリ「全国タクシー配車」の運用サービスを開始した。

タクシー配車アプリの地図画面

　同アプリは、東京都内最大手のタクシー会社「日本交通」（東京都北区）が日本マイクロソフト（東京都港区）と共同開発し、2011年から全国各地のタクシー会社と提携して展開するもので、飛騨地域での運用は今回が初めて。

　スマートフォンの衛星利用測位システム（GPS）機能を使い、全国約1万8000台のタクシーの中から最寄りのタクシーを探し出し提携タクシー会社に配車予約ができるほか、希望日時の指定、迎え先から送り先までの概算料金の計算、お気に入りの乗降場所なども設定できる。

　利用客は、画面上の地図を操作してタクシーを呼ぶ位置を指定し、台数などの必要事項を入力。注文を決定すると乗車するタクシーの車番とおおよその到着時刻が表示される仕組み。乗車コメントも書き込める。

　社長の野戸修さんは「現場を知っているタクシー会社が考案しただけあって、細かい部分まで配慮された使い勝手はさすがの一言。特に言葉では伝えづらい細い露地や車通りの多い交互車線での乗車位置、間違えやすい同称の地名なども地図ならば一目瞭然。配車係のストレスも減り仕事の効率が上がった」と話す。

　一方、「サービス開始から約2週間、高山を初めて訪れた観光客や、耳や言葉の不自由な方など一番便利さを感じていただけるターゲット層からの利用はまだない」とも。

　「現在の利用客は、土地勘のない出張先でアプリを使って便利だったというサラリーマンや地元民がほとんど。認知度を上げていくことが今後の課題だが、一度使っていただければ便利さは体感してもらえるはず。車体後部に貼ったステッカーでもサービスを呼び掛け、利便性向上に努めながらタクシー利用の間口を広げていきたい」と意欲を見せる。

　同アプリはiPhone、Android、Windows Phoneの各キャリアに対応。無料でダウンロードできる。