高山市内のタクシー会社3社が8月20日、運転免許証を自主返納した高齢者に対し乗車料金を割引するサービス制度を始めた。
同制度はタクシー乗車の際、県公安委員会が発行する「運転経歴証明書」を65歳以上の高齢者が提示すると利用料金が1割引(事業者負担)になるもの。静岡県では昨年4月から同制度をほぼ全県一斉で導入し、前年比で運転事故件数が5%減少、タクシー利用者も4倍に増えたという調査結果が報告されている。
今回導入したのは、いずれも高山市内に本社営業所を置く山都タクシー(昭和町)、新興タクシー(同上岡本町)、鳩タクシー(同名田町)の3社。飛騨地域ではこのほか、濃飛乗合交通(飛騨市神岡町)、下呂名鉄タクシー(下呂市)、飛騨タクシー(同)がすでに同様の制度を導入しており、合わせて6社となった。
「運転経歴証明書」は、運転免許を有効期限内に自主返納する際、最寄りの警察署か運転免許センターへ申請することで交付が受けられる。証明書の交付期限は返納後5年以内。
高山警察署管内で今年1月~8月に運転免許を自主返納した高齢者は39人。うち運転経歴証明書を申請したのは30人となっている。一方、高齢者による運転事故は7月末現在で24件、全体(109件)の22%を占めており、県平均の17.6%を上回っている。
山都タクシー総務部長の清水正さんは「今後ますます高齢化が進むと予想される飛騨地域で、高齢者による運転事故の減少と防止に協力しながら、タクシーの利用促進にもつながれば」と期待を寄せる。