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高山で「巨大木版画」制作-名古屋芸大と共同、「円空仏」モチーフに

64分の1パーツの版木を彫る参加者ら

64分の1パーツの版木を彫る参加者ら

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 こくふ交流センター(高山市国府町)で8月17日、「巨大木版画」の版木制作が行われた。

「巨大木版画」の下絵

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 同企画は飛騨高山文化芸術祭「こだま~れ」プロジェクト「巨大あんどんを作ろう!」の一環。大きさ60センチ×180センチの版木64枚を組み合わせて幅7メートル×高さ9メートルの巨大版画を仕上げ、同センターのガラス壁面に配置し「あんどん」に見立てるというもの。

 この日は、一般市民や地元中学校の美術部生徒、名古屋芸術大学美術学部で版画を学ぶ学生ら合わせて50人が集まり、共同で「巨大あんどん」に使う木版画の版木彫刻を行った。

 下絵は飛騨にゆかりの深い円空仏がモチーフ。今年7月末、高山市民50人が円空仏の写真をスケッチした絵を基に名古屋芸大生らがデザインした。中には2歳の子どもが描いた円空仏の絵も。

 作品制作を指揮する同学部の西村正幸教授は「下絵の題材として円空仏はシンプルすぎるので不安もあったが、結果的に描く人の個性が強く表れた面白い下絵が出来上がった」と話す。

 「今回の版画はこれまでの経験上、最大級。手法は北斎や歌麿の浮世絵と同じ完全分業制で、自分の描いた絵を彫るとは限らず、刷り上がるまでは全体像が見えない。参加者の心の中に探究心が芽生えるきっかけにつながれば。作品を通じて、ぬくもりや力強さなど人間が本来持っている心を残したい」と西村教授。

 仕上げた版木は大学に持ち帰って学生たちがプレス機で刷り上げた後、来年2月~3月のクローズドイベント期間中に一般公開される。

 事務局では現在、版木制作の次回参加者を募集している。開催日は9月下旬予定。詳細は「こだま~れ」ホームページで確認できる。

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