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高山の廃校で「木版画あんどん」作り-名古屋芸大と地元小中学生らが制作

出来上がったあんどんをともし、しみじみと眺める参加者ら

出来上がったあんどんをともし、しみじみと眺める参加者ら

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 3年前に廃校となった高山市朝日町の旧秋神小学校で11月23日、「第1回 朝日・高根百景プロジェクト」として、名古屋芸術大学の学生らと朝日・高根地域の小中学生ら合わせて39人が「木版画あんどん」作りに挑戦した。朝日中学校区活性化協議会の主催。

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 今回のイベントについて、同協議会の西田純一さんは「この学校は現在、グリーン・ツーリズムの拠点として地域活用されているが、廃校になった今でも、地域の子どもから高齢者まで心の中にはかつての学校の思い出が生き続けている。世代や地域を超えてその思いを共有できる体験が何かできないかと考えたのがきっかけ」と話す。

 イベントには、名古屋芸術大学アートクリエーターコース・版画コースの西村正幸教授と教員・学生らが協力した。「これまで数十年間、大学教育という物づくりの現場において、ずっとないがしろにされてきた、古くからの職人の技術力やものづくりの証しが、この地域にはまだ残っている。その空気にたくさん触れて感動し学生と共に学びたい」と西村教授。

 当日は、同学生と地元小中学生児童らは、8人ずつのグループに分かれ、旧学校の校歌に歌われている風景を木版画にし、その絵をあんどん一基に8枚ずつ貼り付け計4基のあんどんを作った。最後は校舎内にあんどんをともし、地域の高齢者など卒業生らを招いて全員で旧校歌を斉唱した。

 あんどん作りを終えて、中学1年の男子生徒は「小3以来4年ぶりに学校に来て、とても懐かしかった。ここに来てプールの風景を見て、小学校のときプールで爪を割って痛かった事を思い出し、『フェンスから見たプール』を版画の課題に選んだ。一日中、図工の時間で疲れたが楽しかった」と振り返った。

 名古屋芸大の女子学生は「みんな最後までずっと一生懸命制作してくれて、本当にすてきなものができた。最後に校歌を聴いたときは感動で涙が出た。私たちも学んだ事がたくさんあった」と話す。

 あんどんは同校のほか、朝日町地域の各所にそれぞれ展示する予定。

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