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高山・国重文「日下部邸」で「飛騨民家お手入れお助け隊」記念イベント

今年で築135年目を迎える日下部邸

今年で築135年目を迎える日下部邸

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 高山の国指定重要文化財「日下部邸」(大新町1)で12月1日、ボランティア有志が集まり古民家の掃除などを行う「飛騨民家お手入れお助け隊」が開催される。主催は観光コンサルティング会社の「美ら地球(ちゅらぼし)」(飛騨市古川町)。

「飛騨民家お手入れお助け隊」過去開催の様子

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 同社が取り組む「ひだ山村・民家活性化プロジェクト」の一環として、2009年11月から始めた飛騨民家お手入れお助け隊(以下、お助け隊)は今回で20回目。伝統構法を用いた築50年以上の移築可能な一般家屋を対象に、これまで延べ300人以上が活動に参加してきた。

 日下部邸は1879(明治12)年、伝説の名工とうたわれた飛騨の大工・川尻治助さんが匠(たくみ)の技の粋を集め建造した飛騨高山を代表する伝統的建築物。現在は「日下部民藝館」として邸内を一般公開している。重要文化財でのお助け隊活動は今回が初めて。

 13代目当主で同館長の日下部勝さんは「地元の人を含め皆で伝統文化を大切にしていくという意識を共有する場になってくれれば。重要文化財と聞くと、国や自治体の手厚い保護を受けているようなイメージがあるかもしれないが、実は個人の持ち家ということに変わりはなく、大がかりな掃除は年に2回。昔からずっと3~4人の限られた労力の中で日々コツコツと掃除や手入れをしてきた」と話す。

 お助け隊の山田拓さんは「少子高齢化などによる人手不足で維持に困っている古民家の現状を何とかできないかと思いつきで始めた活動も気付けばもう20回目。今回の節目をきっかけにもっと地域に動きを広めていけたら」と期待を寄せる。

 当日は、めったに上らないという梁(はり)の上や繊細で根気のいる表玄関の出格子などを20~25人のボランティアスタッフで掃除する。昼食には飛騨の新米で炊いたおむすびや地元食材を使ったキノコ汁などを用意。隊員以外の来館者先着50人にも振る舞う予定。

 午後からは、20回記念イベントとして「飛騨が伝える『日本』の可能性」と題したトークセッションを行う。パネラーは日下部さん夫妻、山田さん、谷口裕和さん(菁風会=せいふうかい・主宰、日本舞踏家、高山市出身)、二ツ谷淳さん(民芸品店『飛騨さしこ』三代目)。イベント見学者は終日入館無料。

 現在、当日のボランティア隊員も若干名募集している。参加無料。問い合わせは同社(TEL 0577-73-2104)まで。

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