高山市で4月14日、「春の高山祭(山王祭)」が始まった。
旧高山城下町の南半分を治める氏神を祭る日枝神社(高山市森下町)の例祭で、国指定重要無形民俗文化財。伝統装束を身にまとった数百人の氏子が町を練り歩く御巡幸(ごじゅんこう)や、祭り屋台の曳(ひ)きそろえ、からくり人形の演舞などが見どころ。
14日夜は呼び物の「夜祭」があり、祭りばやしが流れ無数のちょうちんが揺らめく中、月明りに照らされてゆっくりと町なかを進む祭り屋台の幻想的な光景が集まった見物客たちを魅了した。
高山市の発表によると、この日の人出は11万人。平日だった今年は日曜開催の昨年に比べ1万3000人少なかったが、晴天と春の陽気に誘われて町なかの桜も咲き始めるなど彩りを添え、華やかな祭りとなった。
今年は、屋台組最南端の大国台(だいこくたい、高山市上川原町)が屋台組をまとめる「宮本(みやもと)」を務め、15年前は天候不良で通れなかった「和合橋(わごうばし、高山市森下町2)」を30年ぶりに祭り屋台が通過するなど、例年より2キロほど移動距離の長い行列が楽しめた。近所に住むという60代の男性は「次に見られるのは15年後か」と話し、感慨深げに祭り屋台を見送っていた。
同祭は15日も行われ、高山市では2日間で18万人の人出を見込んでいる。