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高山で「伝統文化の祭典」-祭り屋台「金鳳台」の大改修完了、3年ぶり初披露

「金鳳台」屋台蔵

「金鳳台」屋台蔵

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 高山市下一之町の「しもいち通り」で9月14日、「伝統文化の祭典」が初開催される。主催は下一之町商店街と近隣地域の有志で組織する実行委員会。

「金鳳台」

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 飛騨高山の伝統文化を身近に感じてもらおうと開く同イベントは今回が初めて。会場では、今年大改修を終えたばかりの祭り屋台「金鳳台(きんぽうたい)」を、高山市で10月9日・10日に行われる秋の高山祭(八幡祭)に先立ち一般に初披露する。

 金鳳台は、高山祭で桜山八幡宮(桜町)参道に曳(ひ)きそろえられる祭り屋台の一つ。1718年に原型が登場したといわれ、1818年に現在の形となった。初期型屋台の様式と風格を備え、当時の面影を残す貴重な屋台として今に伝え守られている。

 3年を要し行われた改修では、破損と劣化が著しかった屋台駆動部分を改修・新造したほか、飾り金具の磨き直し、金箔(きんぱく)の一部押し直し、天井画・下段彩色図の復元などを行った。高山市文化財課によれば、これほどの大改修は金鳳台では1970(昭和45)年以来およそ40年ぶりという。

 当日は、「屋台やわい」(9時~)、「桜山八幡宮宮司による神事祈祷(きとう)」(13時30分~)、「布袋台組からくり奉納」(14時30分~)、「金鳳台しもいち通り曳き回し・駐台お披露目」(16時まで)を予定。併せて近隣各商店による特売も行う。

 実行委員長の杉山久人さんは「秋祭りは毎年仕事が忙しく、旅行者もいっぱいで屋台やからくりを落ち着いて見たことがないという地元民の声を多く聞いて久しい。ならば、大改修を終えた金鳳台が屋台蔵に帰ってきたこの機会にと思い企画した」と話す。

 「高山も少子高齢化と若者の人口流出が進み、祭りの維持・存続を危ぶむ声が人ごとでなくなってきている。今回のイベントきっかけに、飛騨の財産と誇りを地元のみんなで大切に守り次の世代に伝えていくという気持ちをあらためて確認し、より高めたい」とも。

 「現在、事務局では当企画に賛同いただける企業や有志を募っている。今後も地域の恒例行事として継続していければ。当日はぜひたくさんの方にお越しいただき、先人が私たちに残してくれた祭り屋台をじっくり見て高山の伝統文化を身近に感じてほしい」と来場を呼び掛ける。

 開催時間は10時~16時。雨天中止(=からくり奉納・屋台曳き回し)。問い合わせは同会事務局(杉久呉服店、TEL 0577-34-0126)まで。

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