飛騨・高山の両市内で7月20日、「ぐるっと町ごと絵本館」が始まった。主催はNPO法人「思い出の絵本展」(飛騨市古川町、TEL 0577-73-2531)。
保育園への出張紙芝居や図書館での絵本展開催などを展開する同NPOは2011年11月、「飛騨を絵本の町にしよう」をコンセプトに、飛騨・高山両市の絵本愛好家や読み聞かせサークルのメンバーらで組織。市をまたぎ町ぐるみで行う絵本イベントは今回が初めて。
商店や銀行など飛騨市内60カ所と高山市内12カ所の参加店では、イベント看板を掲げて「絵本コーナー」を開設。来場者は、同NPOと参加店お薦めの絵本が自由に手にとって読めるほか、各店に設置する「絵本マップ」を入手し4カ所のスタンプを集めると、メンバー手作りの景品が進呈されるスタンプラリーも行う。
参加店の一つ、二木酒造(高山市上二之町)のスタッフは「地酒の試飲などが楽しめる店内休憩所に絵本コーナーを設置している。先日は、夕立の雨宿りがてら立ち寄られたお客さまが退屈せずに時間を過ごしていかれた。これまでなかなか声を掛けづらかった親子連れの女性客にも『絵本を読んでいきませんか』と気軽に声を掛けやすくなった」と話す。
スタッフの森瀬なつみさんは「長野県小布施市で行われている同様のイベントを見に行ったのが始まり。子どもだけでなく、普段忙しくている親世代にたくさん参加してほしい。もちろん絵本を読みにお店に立ち寄るだけでもOK。最近飛騨でも少なくなりつつある地域の店とのコミュニケーションや、親子の絆を再確認するきっかけにつながれば」と期待を寄せる。
期間中、飛騨市内の各施設では、絵本の読み聞かせ、紙芝居、ペープサート(紙人形劇)などの関連イベントも予定する。8月25日まで。