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飛騨・ダムに沈んだ村の伝承民話を後世に-県事務所が「ふるさと民話」冊子

完成した冊子を披露する県事務所職員

完成した冊子を披露する県事務所職員

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 岐阜県高山土木事務所が8月24日、「丹生川ダム」完成に伴う工事事務所移転を記念して、同ダムに沈んだ村に伝わる民話などをまとめた冊子「折敷地(おしきじ)ふるさと民話」を発行する。

旧丹生川村折敷地五味原地区

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 冊子は、同ダム建設により水没した旧丹生川村折敷地五味原(ごみはら)地区にかつて住んでいた古老の話や同地区の文献から昔話や説話を集め、新たに挿絵を付けて絵本仕立てに編集したもの。

 飛騨の実用民芸品のルーツを紹介する「しょうけ」、和尚に化けた大イワナと村人との攻防を描く「同心滝伝説」、神様の木を切ってしまい龍神様の怒りに触れる「住吉さまの大杉」、村をあげての大イベントだった当時の様子を伝える「住吉神社の大石運び」など、伝承民話6編と実話1編を収録する。

 岐阜県土木事務所の榊原数晴副所長は「五味原地区は、岐阜県が竣工したダムとしては初の水没移転が生じた地域。昔から人が住み大切に守られてきたこの地域に敬意を表し、後世にその存在を伝える意味でダム湖は五味原湖と名付け、折敷地地区の文化が時代の中で消え去ってしまわないように伝承民話を紹介する冊子を発行した。ぜひ手にとってご覧いただき、子どもたちに伝えてもらえれば」と話す。

 発行部数は500部。飛騨総合庁舎内の高山土木事務所(高山市上岡本町、TEL 0577-33-1111)と同ダム管理事務所(同丹生川町)で無料配布する。

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