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高山の神社で「管粥神事」-1年を占う伝統行事、恒例のプロ野球予想も

粥の入り具合を調べ今年の吉凶を占う「管粥神事」の様子

粥の入り具合を調べ今年の吉凶を占う「管粥神事」の様子

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 高山市丹生川町旗鉾地区の「伊太祁曽(いたきそ)神社」で1月14日、毎年恒例の「管粥神事(くだがいしんじ)」が行われた。

今年のプロ野球ペナントレースのご神託を調べる若連中

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 約600年前から同地区に伝わるという高山市無形文化財の同行事は、米、大豆、小豆と一緒に炊き上げた麻ガラの穴に詰まった粥(かゆ)の入り具合を見て、農業などその年の吉凶を占うというもの。特に豆入りのものは当たり年となる。

 過去には、2006年トリノ冬季五輪女子フィギュアスケート競技の荒川静香選手金メダル獲得を的中させ、地元で話題となった。今年も、月例、天候、農作物、景気のほか、近年恒例となったプロ野球ペナントレースの行方など約100項目を占った。

 縄で結界を張った屋外の釜から粥にまみれた麻ガラが社殿に運び込まれると、参詣者が見守る中、麻の装束(しょうぞく)に身を包んだ地元若連中らが次々と小刀で麻ガラを割って中身を確認し、「くだがい帳」にご神託を記録していった。

 今年の景気は商業と観光が良く、農業は夏から好調、農作物は小豆とカボチャが豊作、獣害は熊に要注意、天候は地震が上半期多く台風に要注意、プロ野球はセ・リーグが阪神好調で巨人が後半優勝争いに絡む兆しあり、パ・リーグは楽天の優勝と出た。

 高山市内で農業を営む女性は「毎年楽しみに見に来る。昨年はご神託どおり果樹の豊作が的中した。当たるも当たらぬも八卦(はっけ)と言うが、良い部分だけ信じて今年を乗り切りたい」と笑顔を見せた。

 神事後の境内では、1年の無魔開運を祈念して、釜の粥が神前と参詣者たちに振る舞われた。

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