飛騨市神岡町の「船津座」(TEL 0577-37-6111)で1月19日、物理学者・鈴木厚人さんの講演会が開催される。主催は「夢のたまご塾」飛騨アカデミー実行委員会(飛騨市神岡町、TEL 0578-82-4020)。
同講演は、先端を走る国内外の学者などを講師に招き同町で毎年開かれる小中学生対象の合宿セミナー「夢のたまご塾」が10周年を迎えることを記念して行うもの。セミナー発足は2002年、ノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊さんが同地で講演の際話した言葉「みんな心に『夢のたまご』を」がきっかけ。
今回講師を務める鈴木厚人さんは現在、「高エネルギー加速器研究機構(KEK)」(茨城県つくば市)機構長。専門は素粒子物理学・ニュートリノ物理学。当日は「究極の素粒子・宇宙の姿」をテーマに講演を行う。
鈴木さんは、小柴さんの愛弟子の一人として、同町にある「カミオカンデ」や「スーパーカミオカンデ」での物理実験に深く携わった経歴を持ち、鈴木さん率いるチームの論文は2003年と2004年、物理学分野の論文引用ランキングで世界1位を記録した。2005年には、自身が発案した東北大学の実験装置「カムランド」(同町)で世界初の「地球ニュートリノ」検出に成功。「ノーベル賞級」の研究成果を残している。
同会事務局長の石橋祥二さんは「鈴木先生は非常に温厚で気さくな方。神岡町滞在当時には親交を深めた地元民も数多く、鈴木先生の名前がノーベル賞にノミネートされ始めた一昨年頃から、同賞の発表当日に地元有志が集まり、お祝いの横断幕を用意して毎年受賞の瞬間を心待ちにしているほど」と話す。
「当日は、最先端の宇宙物理学の話を素人の私たちにも分かりやすくお話ししていただけると思う。日々ご多忙の中めったにないチャンスなので、多くの方にお越しいただければ」と来場を呼び掛ける。
開催時間は14時~15時30分。入場無料。