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飛騨神岡で「サイエンスバー」-ニュートリノ研究者が宇宙物理学・最前線解説

「一般相対性理論と特殊相対瀬理論の違い」や「ローレンツ変換」という難解な物理現象についてもわかりやすく解説した

「一般相対性理論と特殊相対瀬理論の違い」や「ローレンツ変換」という難解な物理現象についてもわかりやすく解説した

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 桜ヶ丘体育館(飛騨市神岡町)談話室で11月22日、「サイエンスバー~新プロジェクト『カムランド禅』+ニュートリノ最新ニュース」が開催された。

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 当日は、神岡鉱山の地下1000メートルの場所にある東北大学ニュートリノ科学技術研究センターから同大助教の山田悟さんを迎え、宇宙物理学の最前線で起こっている話を聞こうと、25歳~70歳の18人が集まった。

 会場には約30種類以上の酒とソフトドリンクを提供するバーカウンターも設置し、参加者らは好みのドリンクを片手にリラックスした雰囲気で最新サイエンス話に耳を傾けた。

 「カムランド」とは、「神岡・液体シンチレーター反ニュートリノ検出器」の英訳の頭文字をとったもので、同型の検出器としては世界最大。2002年にノーベル物理学賞を受賞した東京大学・小柴昌俊教授らのニュートリノ観測装置「カミオカンデ」の場所を利用して、東北大学が建設したもの。「禅」は実験のプロジェクト名。

 山田さんは「スーパーカミオカンデは5万トンの水を満たした実験容器で、カムランドは1000トンの油を満たした実験容器」と説明し、「何をどう測る装置なのか」、「ニュートリノとは何か」を易しく説明した。その後、現在カムランドで行われている「二重ベータ崩壊(ニュートリノの質量を調べる)」実験について詳しく紹介した。途中、参加者からの「放射能とは何か」との質問に、「電子や光の波長など放射線を出す能力のある物質は全て『放射能』」とし、放射性物質についても解説した。

 続いて、世界中で注目を集めている「光より速いニュートリノの速度計測」について話し、「ニュートリノの速度の求め方は、小学生のときに習った『はじきの法則』」「タイムマシンができてしまう仕組み」など、ユニークな話題で参加者らの興味を引きつけた。

 講演後は座談会が開かれ、山田さんは参加者らの質問攻めにあった。サイエンスバー閉幕後も神岡町内の飲食店に場所を移し、山田さんを囲んでの熱い宇宙話は深夜まで続いた。

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