暮らす・働く 学ぶ・知る

飛騨古川に春告げる「コイ」の引っ越し-増島城跡の堀から瀬戸川へ

約5カ月ぶりに瀬戸川に戻されるコイ

約5カ月ぶりに瀬戸川に戻されるコイ

  • 0

  •  

 飛騨市古川町で4月7日、春の風物詩「コイの引っ越し」作業が行われた。

コイの引っ越し作業

[広告]

 4月19日・20日に開かれる春祭り「古川祭」を目前に控え、毎年この時期に行っている同作業。同地を代表する観光名所「コイの泳ぐ瀬戸川」では、流雪溝に使う冬季間、近隣の増島城跡の堀でコイを越冬させる。当日は雨が降りしきる中、市職員や地元ボランティアなど23人が協力し約1000匹のコイを移送した。

 堀の中に入り、両手に長網を携えて横一列に並ぶと呼吸を合わせながらコイを追い込み、ビニールシートを張った手製の軽トラ運搬車に載せ次々と運んだ。約5カ月ぶりに瀬戸川に戻ったコイは、春の清流を優雅に泳ぎ回っていた。

 瀬戸川は同町街中心部を流れる疎水路で、約400年前の安土桃山時代に開田用水として築工。昭和30年代までは生活用水にも使われていたが、昭和40年代に入り生活スタイルが変わるとゴミ投棄を減らす目的で「ニシキゴイ」が放流された。以降、数を増やし現在も地元民の手により大切に守り続けられている。

 作業に参加した女性は「大勢の旅行客からも『コイはいつ入りますか』と聞かれ、みんな心待ちにしていた。気持ち良さそうに川を泳ぐコイたちを見ると、ようやく春が来たという実感が湧く」と目を細めていた。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース