高山市の消防出初め式が1月5日、旧市町村の10支団で一斉に開かれ、士気を高め合う伝統訓練や消防功労者の表彰式が各地で行われた。
東京スカイツリー頂上と同じ高さの標高634メートルに位置する高山市丹生川支所前広場で行われた丹生川支団の出初め式には、礼服姿の消防署員や法被姿の消防団員、地元中学1・2年男子生徒による少年消防クラブなど合わせて231人と地域の消防車両12台が参加した。
1916(大正5)年の消防団発足以前から受け継がれているという同団伝統のはしご登りでは、第3分団(坊方班)所属の若手団員3人が命綱無しで高さ9メートルの「5間ばしご」の頂上に登り、重さ約15キロもあるまといを振ったりと華麗な軽業妙技をそれぞれ披露した。技が決まり、「よいしょ」と威勢のいい良い掛け声が会場にこだまするごとに、固唾(かたず)を飲んで見守る観客たちから大きな拍手が送られていた。
今年はしご登りデビューを果たした角野裕介さんは団員歴2年9カ月。「長年花形を務めたベテラン団員と入れ替わる形で跡を継いだので緊張したが、天気に恵まれたおかげではしごも登りやすく、いい演技ができてホッとした。今後も気を引き締めて消防の伝統を守っていきたい」と話した。