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高山で消防出初め式-伝統訓練「舞い込み」など披露

2列縦隊が後方から次々と渦を巻くように集まり、中心で同時に逆回転する「舞い込み」

2列縦隊が後方から次々と渦を巻くように集まり、中心で同時に逆回転する「舞い込み」

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 高山市内で1月5日、「消防出初め式」が旧市町村地域合わせて10支団で一斉に行われた。高山支団(旧高山市地域)では伝統訓練の「舞い込み」などが披露された。

伝統訓練の「巻き込み」(関連画像)

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 気温マイナス13度と冷え込んだこの日の早朝、高山市中心地では一斉サイレンとともに、地元消防団員や消防署職員ら433人が高山市立西小学校グラウンド(総和町2)に駆け付け、しめ縄を付けた消防車や救急車など33台がずらりと並んだ。

 高山支団(旧高山市地域)の出初め式は、170年前の1843(天保14)年、時の郡代が火消し組を召集し検閲を行ったのが始まりとされる。今年も正月恒例の「入れ替え」「舞い込み」「巻き込み」と呼ばれる伝統的な特殊訓練が行われた。

 大気中の水分が凍り日光で輝く「ダイヤモンドダスト」がちらつく中、半鐘(はんしょう)や勇壮な行進ラッパが鳴り響き、消防団員らは「ヨイショ、ヨイショ」の掛け声とともに、隊列を組みながら中心のまといを目掛けて渦を巻くように駆け足訓練を披露。士気を高め合った。

 高山市消防本部によると、同管内の昨年の火災発生件数は28件。うち建物火災が18件、林野・車両・その他が合わせて10件で、調査中のものを除く全体の損害額は5,845万7,000円だった。

 現在11人が所属する地元女性消防団員の一員、藤田亜子さんは「毎年出初め式を迎える度に新年が始まったなという気持ちになる。12年目となる今年も地域の防災のため頑張りたい」と話す。

 7年前に知人の紹介で入団したという西こずえさんは「独居老人の訪問や救命講習補助など、やりがいとあたたかさのある仕事。今年は10月30日に高山市内で女性消防団員の全国大会が開催されるので、これをきっかけに一緒に地域を守る女性団員が増えてくれれば」と期待を込める。

 団員らは特殊訓練の後、車両部隊と徒歩部隊に分かれての市街地行進や同市中心部を流れる宮川河畔で一斉放水を行い、高山市消防団歌合唱と万歳三唱で出初め式を締めくくった。

 同日、旧高山市地域以外の9支団でも駆け足訓練、はしご登り、分列行進、一斉放水などがそれぞれ行われた。

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