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奥飛騨「新穂高ロープウェイ」でゴンドラのブロッケン現象-すれ違う2台に後光差す

虹色の光輪に囲まれ霧に浮かび上がる2台のゴンドラの影(写真提供=谷脇勲さん)

虹色の光輪に囲まれ霧に浮かび上がる2台のゴンドラの影(写真提供=谷脇勲さん)

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 「新穂高ロープウェイ」(高山市奥飛騨温泉郷新穂高)で9月30日、珍しい「ゴンドラのブロッケン現象」が目撃された。

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 ブロッケン現象とは、ドイツ・ハルツ山脈のブロッケン山頂でよく見られることからこの名が付いた自然現象。太陽などの強い光の先に霧や雲海がある時、間に挟まれた人や物体の影が虹色の光環を伴って霧の中に投影される大気光学現象だ。日本では仏の後光になぞらえられ、飛騨山脈・槍ヶ岳などを開山した江戸時代の僧・播隆(ばんりゅう)上人は阿弥陀(あみだ)如来の来臨として信仰登山の礎(いしずえ)を築いた。

 この日、同社社員の谷脇勲さんらは朝一番の従業員用ゴンドラ便で仕事場の山頂駅に向かっていた。同乗していた同僚たちが皆、目的地の山頂を見つめる中、谷脇さんはブロッケン現象の条件が整っていることに気付き、後部座席に身を固め窓から外の様子を注視していたという。

 ゴンドラのスピードは秒速7メートル。時間は朝8時を少し過ぎて登りと下りのゴンドラがすれ違うポイントに差し掛かった時、ブロッケン現象が発生した。谷脇さんはめったにみられない珍しい光景に感動しながら、いつも持ち歩いている一眼レフのシャッターを夢中で切った。

 「これまでにも、同様の時間帯まれに出現することはあったが、2台のゴンドラがちょうど行き違うピンポイントでブロッケン現象を見たのは今回が初めて」と谷脇さん。長年ロープウエーを使っている従業員も今回のケースは見たことがなく、写真に収めた話も聞いた事がないと話す。

 谷脇さんによれば、同ロープウエーのブロッケン現象は客便でも年1~2回、朝日が昇る時間帯で条件が整った時に見られるという。

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