高山の伊太祁曽(いたきそ)神社(高山市丹生川町旗鉾)で1月14日、市無形文化財の「管粥(くだがい)神事」が行われた。
1391年ごろから始まったとされ、約600以上の伝統を持つ同神事。占い項目を書いた木札の付いた麻ガラを、大豆や小豆の入ったかゆと一緒にまき釜で炊き、麻ガラの管の中に詰まったかゆの入り具合を見て一年の吉凶を占う。
この日は、飛騨高山の今年一年間の景気動向、農作物の作柄、気象、獣害、恒例となっている「プロ野球ペナントレースの行方」など約100項目を占った。
境内では、集まった見物客たちが見守る中、同神社氏子の旗鉾若連中らがかゆにまみれた麻ガラの束をまき釜から取り出して社殿に運び、長さ6センチほどの麻ガラを次々と小刀で割って穀物の入り具合によるご神託を「くだがい帳」に写し取っていった。
旗鉾若連中大頭の寺田和久さんによると、景気は良くも悪くもなく平年並みで穏やかな一年、気象は上半期雨が多く、農作物はタカヤマモチ(もち米)が特に良く、春菜・カボチャ・ワラビ・ウドも豊作、獣害は多く、熊・イノシシ・むじな(タヌキ)に注意。プロ野球はセ・パ共に混戦になると出たという。