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大阪桐蔭・根尾君の故郷、飛騨市河合町の私設応援団甲子園へ 球史に残る大舞台見届けに

歓喜の瞬間を待ちひっそりと静まりかえる大阪桐蔭・根尾君の故郷、飛騨市河合町(8月21日撮影)

歓喜の瞬間を待ちひっそりと静まりかえる大阪桐蔭・根尾君の故郷、飛騨市河合町(8月21日撮影)

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 第100回全国高等学校野球選手権記念大会決勝試合が行われる8月21日、飛騨市河合町出身で大阪桐蔭高校選手の根尾昴(ねおあきら)君を応援しようと私設応援団の有志を乗せたバスが阪神甲子園球場に向け早朝出発した。

甲子園決勝、この日ばかりは町の診療所も休みに

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 103年ぶりとなる決勝戦進出に地元が沸き、東北勢初の優勝に期待がかかる秋田県代表の金足農業(秋田)と、史上初となる2度目の春夏連覇の偉業に王手をかけた北大阪代表の大阪桐蔭。

 どちらが勝っても高校野球史に大きな名を刻む大一番を間近で応援しようとこの日、4時に集まった飛騨の地元有志でつくる根尾君応援団159人が4台のバスに乗り合わせ、一路甲子園球場を目指した。

 根尾君は、飛騨市の山あいにある人口964人(8月1日現在)の小さな町、河合町(旧吉城郡河合村)で医師の両親の下3兄弟の末っ子として育ち、中学3年までを同町で過ごした。野球は3歳年上の兄の影響で小学2年生から始めたという。現在、国立大医学部に通う兄の学さんは2015年7月、斐太高校野球部のエース投手としてチームをけん引し、県大会決勝まで駒を進めて飛騨勢初の甲子園出場まであと一歩に詰め寄る活躍を見せた立役者。

 根尾(昴)君の中学時代をよく知る同級生らの話によると、根尾君は地元少年野球の強豪チーム「飛騨高山ボーイズ」で腕を磨く一方、足腰を鍛えるためと選んだ部活の陸上部では短距離走種目で全国入賞。中2の時出場したアルペンスキーの全国大会では回転(スラローム)種目で優勝し世界大会出場。勉強は常に学年トップの成績で生徒会長も務め、人柄は気さくでさっぱりしていて、皆からは「努力の天才」と一目置かれる存在だったという。

 根尾君の実家の向かいに住んでいるという中畑広一さん(65)は「小さい頃からよく知っているが、礼儀正しくてスポーツ万能でとても賢い、文武両道のお手本のような少年。大阪桐蔭の甲子園試合は昨年からこれまで春夏全部、現地に行って応援してきた。2年間、本当に楽しい時間を過ごさせてもらった。甲子園でプレーする高校球児の根尾君を見られるのはこれで最後だと思うと少し寂しいが、元気をたくさんもらえて感謝している。飛騨のスポーツ少年たちにも大きな夢を与えてくれた」と笑顔を見せる。

 中畑さんは今日、甲子園球場の3塁側アルペンスタンド上段から大阪桐蔭と根尾君にこの夏最後のエールを送る。

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