高山の自然体験学習施設「あぶらむの里」(高山市国府町、TEL 0577-72-4219)で7月22日、親子や子どもたちが協力して野外で料理を作り楽しむ「親子でアウトドア料理教室」が行われた。主催は高山市内でフリースクールや若者の就労支援を行うNPOスタートライン飛騨(花岡町)。
同教室は今年で2回目。夏休みが始まるこの時期、アウトドア料理を通じて親子や子供同士の交流を図ってもらおうと同NPOが年1回行っている。当日は、一般から参加した親子やフリースクールに通う生徒など約30人が「石窯ピザ作り」に挑戦した。
参加者らは、同施設代表の大郷博さんから「今日は短時間で手軽に作れる『ファストフード』でなく、食べられるまでに時間のかかる『スローフード』を作って食べてもらいます」と説明を受けた後、粉からピザ生地作りに取り掛かった。
「使う薪(まき)は、乾かすまでに約3年、石窯の温度を上げピザが焼けるまでに約6時間、ピザの生地作りや発酵などに約3時間30分、上に載せる具材もネパールから取り寄せた岩塩やここの畑で育てた野菜と、全ての時間を合わせると1枚のピザにとんでもない時間がかかっている」などの大郷さんの話に、参加した子どもたちは真剣な表情で聞き入っていた。
生地の発酵を待つ間、参加者らは近くの山の散策や川遊びなどを楽しんだ。最初の作業から約4時間をかけて作ったピザは、焼き上がると同時に次々と参加者の前に並べられ、あっという間に完食。
同教室を終えて、子どもたちは「楽しかった。時間をかけて出来上がった材料を使い、自分たちの手で作ったピザはとてもおいしかった。普段何気なく食べている食事にもいろいろな人の思いや時間が使われていることに感謝しなければいけないと思った。また体験したい」などと話していた。