高山市一之宮町の飛騨一宮水無神社で4月3日、「飛騨生きびな祭り」が行われ、公募で選ばれた飛騨地域の未婚女性9人が平安絵巻さながらの「生きびな行列」を行った。
養蚕や農業の繁栄と女性の幸福を祈念して行われる同祭りは今年で61回目。あいにくの雨模様となった今回は、予定していた神社周辺の練り歩き行列を中止し、本殿回廊での行列となった。内裏や后(きさき)、官女などに扮(ふん)した9人は回廊をしずしずと練り歩き本殿で神事を執り行った後、「蚕の繭」をかたどった餅と「ミニひし餅」を参拝者らに配った。
内裏を務めた坂本麻美さんは「伝統ある行事に参加できて光栄。一生に一度の経験ができて良かった。できれば外で行列したかったが、雨も含めていい思い出になった」と話し、后を務めた大西琴乃さんは「すごい雨の中、たくさんの方々が見に来てくださり、ありがたかった。とても幸せな体験ができてうれしかった」と振り返った。
この祭りを見るために愛知県から訪れたという女性は「ここまでどしゃ降りに降ってくれると雨もいい思い出(笑)。リアルな宮中模様を見ているようで逆に良かった。『生きびなさま』もとてもきれいでかわいかったし、来たかいがあった」と話していた。