高山の調味料・食品メーカー「杉食(さんしょく)」(高山市下切町、TEL 0577-34-4649)が5月、「飛騨の七味」を開発した。
同商品は粉末状にした「ハバネロ」に、「あぶらえ(=エゴマ)」「ゴマ」、フリーズドライの「飛騨ネギ」「さんしょう」「青ジソ」「レモン」を加え独自に調合したもの。原材料のうち、「ゴマ」「レモン」以外は全て飛騨産の食材を使用した。
開発を手掛けた杉崎孝三社長は「今回も、他地域にない地元独自の味にこだわった商品ができた」と自信を見せる。
「同商品に必ず入れたかった食材は飛騨産の『あぶらえ』」と話す杉崎社長は、これまでにも同食材を使ったドレッシングやソースなどを多数開発し世に送り出してきた。杉崎社長と「あぶらえ」との出会いは15年前。「将来の商売に対する布石のため、飛騨産の食材をいろいろ研究していたところ、『あぶらえ』に行き着いた」と話す。
「当時、当社では海外産の『あぶらえ』を取り扱っていた。しかし、調べれば調べるほど味の違いや成分の含有量など飛騨産の方が勝っていると感じた。なぜ今までないがしろにしてきたのかと少し後悔さえした。その後すぐに海外産(あぶらえ)の取引を中止し、以降全て飛騨産使用に切り替えた」と杉崎社長。
「たしかに飛騨産の値段は高いが、いい物はいい。それに値段が高いのは生産と消費のバランスが悪いから。こうしている間にも飛騨の『あぶらえ』生産農家は一軒また一軒と姿を消していく。有効な活用方法を開拓し、この食材を定着させることが自分に課せられた使命。飛騨産の『あぶらえ』使った商品は永遠のライフワーク」と力強く話す。
同商品は今月から、高山市内の飲食店でプライベートブランド商品として販売を開始。今後、同社でも「飛騨の七味」として発売する予定。
販売価格は1個(15グラム入り)450円~500円ほどを予定している。