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飛騨河合で「山中和紙」のワークショップ-生産現場の全工程を体験

収穫した和紙の主原料コウゾを高温の蒸気で蒸し皮をむく「皮はぎ」作業の様子

収穫した和紙の主原料コウゾを高温の蒸気で蒸し皮をむく「皮はぎ」作業の様子

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 飛騨市河合町で8月5日、約800年前から同地に伝わる伝統工芸品「山中和紙(さんちゅうわし)」の生産現場を一から体験するワークショップが開催される。主催は同町在住の吉眞陽子さん

伝統技術を伝える地元在住の紙すき職人

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 飛騨でも有数の豪雪地帯として知られる河合町の大切な冬仕事として、かつては盛んに行われていた和紙作り。「山中和紙」は同町内の畑で生産されたコウゾを100%主原料に使い、素材が生み出す強靭(きょうじん)な耐久力と時間がたつごとに増す独特の風合いが特徴。現在も原料生産から完成に至るまで製造工程の一部始終が昔のまま、職人による手作業で賄われているため大量生産ができない。

 ワークショップを企画したきっかけについて、同町で自然公園のガイドを務める吉眞さんは「昭和30年代には河合町に33軒あった『漉き家(すきや)』も今では2軒のみ。職人も70歳を超え『体力の限界が来たらいよいよ辞めるしか…』とふと漏らすのを聞いた。これまでは自分ができる範囲で関わり続けてきたが、『もう見ているだけは嫌だ。何かせずにはいられない』と強く思った」と話す。

 ワークショップは全5回。和紙作りの主材料となるコウゾとトロロアオイの生産から和紙になるまでを年間を通じて地元の職人から学ぶ。「今回の体験が山中和紙の伝統技術を残すきっかけとなってくれれば。少数の募集なので長期的に継続参加していただける方を優先する。地元住民はもちろん、将来飛騨地域へ移住を考えている方にもぜひ参加してほしい」と吉眞さん。

 参加費は各回2,000円。募集定員は4人。申し込み締め切りは7月31日。日程と内容は以下の通り。8月5日=コウゾ畑の草刈り・手入れ、トトロアオイの土寄せ、和紙すき、11月4日=原料の収穫・運搬、11月13日=コウゾ蒸し・皮はぎ、1月27日=コウゾたくり・雪晒(ざら)し、和紙すき、2月17日=雪晒し・チリより、和紙すき(以上、各日9時開始)。問い合わせは「工房すなか」(飛騨市河合町、TEL 0577-65-2764)まで。

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