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高山のパッケージ製造会社が「段ボールカホン」発売-「段ボールゆりかご」も

段ボールカホンを実演してみせる下畑社長(左)と社員

段ボールカホンを実演してみせる下畑社長(左)と社員

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 高山の紙器パッケージ製造会社「ヒダシキ」が、強化段ボールを使った打楽器「段ボールカホン」を発売して2カ月が過ぎた。

段ボールカホン

 段ボール加工品製造歴79年を数える同社が楽器を販売するのは今回が初めて。きっかけは昨年8月、社長の下畑了三さんがボーカリストを務めるバンドで地元の夏祭りに出演し、打ち上げ会場で東京在住の音楽仲間が何気なく提案した一言「段ボールで楽器作れる?」から。

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 話の結果、折り畳んで持ち運びができる「カホン」があったら面白いのではとの結論に至った。同社には下畑さんが「飛騨地域にはおそらく1台しかない」と話すマルチカッティングマシン「コングスバーグXL22」がある。同機はコンピューター製図システムのCADと連動して、図面プログラムの指示通りに段ボールの裁断や折り曲げなどを自動で行うことができる。

 材料の段ボールには、木材に匹敵する強度と耐圧性を持つ厚さ1センチの特殊強化段ボール「バイウォール」を選んだ。同紙材は自動車のエンジンや重い木工家具、医療用精密機械など重量梱包物を海外輸出する際に使うもの。接合部には浅川組運輸(和歌山県和歌山市)が新しく開発した強化段ボール用樹脂ねじ「エムネジ」を使った。

 昨年12月初め、音楽仲間のリクエストを反映し、ボストンバックに入れてもかさばらない20センチ立方サイズの試作品が完成した。早速届けたところ、「箱が小さいと音が軽く、バリエーションにも乏しい」との感想が。試作品10個は子どもの音育教材にと近くの幼稚園に寄付した。

 その後、試行を重ねサイズの異なる4タイプを製作。「段ボールならではの音の面白さと価格の安さで勝負」と販売に踏み切った。ラインアップは、20センチ立方(800円)、25センチ立方(1,000円)、30センチ四方×高さ35センチ(1,500円)、30センチ四方×高さ45センチ(1,800円)。

 全て折り畳み可能で、組み立てれば体重200キロくらいの人が乗っても理論上は全く問題ない強度だという。「木製のカホンは安くて1万円くらい。高い物は2万くらいする。段ボールなら初心者にも手が出しやすい価格だし、思い切った装飾や落書きもオーケー。自由な発想で活用の幅を広げてほしい」と下畑さん。

 「段ボール製・着物用収納箱」「段ボール製・着物用収納タンス」など、ロングセラーのヒット商品も数多く持つ同社だが、発売から2カ月、段ボールカホンの売れ行きは地元で3台、ネット販売で5台の計8台と大苦戦。「もう少し売りたい」と苦笑いする。同社ホームページでは現在、演奏動画も公開している。

 「毎日毎日ただ箱を作っているだけではつまらない。段ボールを使って何か面白くて変わったことができないか、いつも考えている」。

 昨年8月には社員の出産を機に「赤ちゃん用・段ボールゆりかご」を開発。「初めのうちは必要だが、少し使ってすぐにいらなくなる物だから、まさに段ボール向き」と自信を見せるが、出荷台数は社員などに自らが贈った2台のみ。売り上げ台数は今のところ0台。価格は3,500円。

 下畑さんは「みんなが知らない意外なところでいつも利用されているが、意外とみんなに知られていない段ボールの世界。使い方やアイデア次第で、便利さや楽しさが無限に広がる段ボールの可能性をこれからも追い求めていきたい」と熱く語る。

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