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飛騨神岡初金毘羅宵祭、東京芸大の新みこし初披露-宝船も「少し派手」に

東京芸大から譲り受けた新みこしの整備に当たる当番会メンバー

東京芸大から譲り受けた新みこしの整備に当たる当番会メンバー

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 飛騨市神岡町で2月8日、商売繁盛や家内安全を願う「飛騨神岡初金毘羅(こんぴら)宵祭」が開催される。町内各所では現在、祭りを彩る創作みこしの準備が佳境を迎えている。

少し派手になった「まる金宝船」みこし

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 1955(昭和30)年から続く同祭は今年で58回目。地元の企業や商店街、同世代有志などで組織する参加団体の社中が踊りや自作のみこしなどを披露しながらにぎやかに街を練り歩き、同町内の洞雲寺金毘羅堂を目指す「夜の参拝行列」が最大の見どころ。

 主催の神岡金毘羅当番会が担当する「東京芸術大学コラボみこし」は今年で4代目。昨年まで担いできた3代目みこし「金毘羅大麒麟(きりん)」の老朽化に伴い、同大建築科と声楽科の学生たちが昨年の学園祭で披露したものを譲り受けた。

 新みこしのモチーフは、朝日を浴びたカジキマグロが荒波に躍動する「大漁旗」。マグロの造形は世界に生息する10数種のカジキの中から、クチバシ、背びれ、尾ひれ、胴体の色や形など、それぞれ一番美しい種の部位を集めた「カジキマグロの完全体」で、斜め前方から見たときに最高の調和がとれるよう計算されているという。

 大きさは、高さ約4メートル、全長約6メートル、重さは過去最大重量という400キロ。昨年10月に発泡スチロールと木材の分解パーツが飛騨に運び込まれ、同12月には組み立てと損傷箇所の修復に学生たちが駆け付けた。「学祭が終わっても思い入れのあるみこしをまた担げてうれしい」と話す学生たちは祭り当日も、担ぎ手として会場を盛り上げる。

 同会当番長の尾家雅彦さんは「町に若い世代が年々減っていく中、活気ある大学生たちと地域の祭りを通じて交流を保ち続けることができて本当にうれしい。こうした縁を今後も大切にしていきたい」と話す。

 同会ではこのほか、毎年「少しずつ派手に」改良を重ねている「まる金宝船」みこしが製作3年目に突入。今年はベニヤむき出しの船体を金色に塗ったほか、みこしを明るく照らす大きめのLEDライト4基を担ぎ棒に搭載した。メンバーたちは「これからもみんなでコツコツ、DIY感覚で楽しみながら派手な装備を増やしていきたい」と笑顔を見せる。

 当日は、地元企業の神岡鉱業も24年ぶりに社中を復活結成し創作みこしを披露するほか、新規団体の「琥珀(こはく)会」も加わるなど、全14社中が息の合ったパフォーマンスを展開する。尾家さんは「鉱山で栄えたかつての町のにぎわいを、来場者の皆さまに少しでも感じてもらえるのでは」と期待を寄せる。

 時間は昼夜2部構成。昼の部=12時~16時30分、夜の部=18時~21時。参拝行列は17時30分から川西ポケットパーク(同町)で出発式と鏡割り後にスタート。メーン会場の本町防災公園では、各社中が恒例のダンスパフォーマンスと「まきもの(菓子まき)」を行う。

 このほか、地元グルメを一堂に集めた「金毘羅うまいもん広場」=11時~21時、新ゆるキャラの愛称発表(14時30分ごろ)、「大坪酒造」酒蔵公開、サイエンスカフェ、座敷芸伝承塾、だるま販売など。当日は最寄り駅からの無料シャトルバスも運行する。詳しくはホームページで確認できる。

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