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高山工業高生が「旬な現場」体験-最新鋭のトンネル工事技術を見学

普段は立ち入り禁止となっている国道トンネル工事現場で最新の土木技術を見学する高山工業高生ら

普段は立ち入り禁止となっている国道トンネル工事現場で最新の土木技術を見学する高山工業高生ら

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 現在建設中の「高山国府トンネル(仮称)」内で7月20日、高山工業高校(千島町)の生徒らが最新鋭技術を駆使したトンネル舗装工事の現場を見学する「旬な現場」体験が開催された。主催は国土交通省中部地方整備局高山国道事務所と同現場で舗装工事を担当するNIPPO(東京都中央区)。

モータグレーダの運転席に乗り込む生徒たち

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 「旬な現場」体験は、国交省中整局が今年5月末から推進している企画で、河川、道路、港湾整備といった大規模工事の現場を普段ほとんど知る機会のない一般人が、最新の工事技術や現場の様子を見学しながら学ぶもの。飛騨地域での開催は今回が初となる。

 当日は、高山工業高建築インテリア科2・3年の生徒53人が参加し、国交省職員から今回の現場で使われている最新技術システムの概要や基礎知識を学んだ後、国道41号高山国府バイパス工事区内にある高山国府トンネル内の舗装工事現場を見学した。

 生徒たちは工事担当者の案内で、位置や標高を瞬時に演算し高精度測量情報を建設機械に送る「TS(トータルステーション)」方式により作業装置を自動制御する「マシンコントロールモータグレーダによる情報化施工」や、「ブレードスプレッダ」「コンクリートフィニッシャ」「縦型レベリングフィニッシャ」など、連結全長60メートルに及ぶ建設機械の流れ作業で一気にコンクリート舗装を行う「連続鉄筋コンクリート舗装」など、最新土木工事技術の実際の現場を見学した。

 見学を終え、国交省職員で同現場の建設監督官・奥田清典さんは「最も感性が豊かなこの時期、生徒たちには次世代を担う技術者として見学会をきっかけに新しい技術に興味を持ってもらい、今後の授業や進路の参考に今日の経験を生かしてもらえれば」と期待を寄せる。

 生徒の一人は「熟練した腕を持つ団塊世代のオペレーターが今後どんどん減っていくので、代わりとなるのが誰でも簡単に精度管理ができる最新鋭機器ということだったが、コンクリート舗装の最終工程では人が手仕事で仕上げていたのが印象に残った。今日は、普通では絶対にできない貴重な経験をした。今後につなげていきたい」と話していた。

 今月23日には飛騨高山高校環境科学科2・3年生の生徒44人が同現場の見学に訪れる予定。

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