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高山の小学生が土地家屋調査士と地上絵制作-「算数の役立て方」学ぶ

土地家屋調査士らと地上絵制作に取り組む児童

土地家屋調査士らと地上絵制作に取り組む児童

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 高山市立南小学校の校庭で11月21日、測量体験を通じて算数の役割や面白さを学ぶ出前講座「地上絵プロジェクト」が行われた。主催は岐阜県土地家屋調査士会高山支部。

完成した地上絵

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 「算数は何の役に立つのでしょうか?」――校庭に集まった児童らに問い掛けた土地家屋調査士で同会副会長の大保木正博さんは、「『土地家屋調査』は、図面から土地の境界を確定したり、土地を測量して正確な図面を作成する仕事。基本は小学校の算数で習う『拡大・縮小』の知識です」と話した。

 岐阜県で初の試みという同講座。この日は、高山市、飛騨市、下呂市の土地家屋調査士と事務所スタッフ20人が集まり、同小6年生の児童81人と一緒に巨大な図形を校庭に描く「地上絵づくり」に挑戦した。

 直径20センチの星の図形を取り出した大保木さんは、図形の中心点を指さし「最も大切なのは、『基準点』と呼ばれるこの点。たとえ地面が何メートルも動いてしまったような大地震のケースでも、この基準点さえ分かれば元の街の形に戻すことができる」と説明。

 4グループに分かれた児童らはスタッフ指導の下、巻き尺や測量機器を使って角度や距離を精密に計測。トータルステーションと呼ばれる測量装置のレンズをのぞきこみ、「ものすごいハイテクな分度器付き定規。かっこいい」などと話しながら、20~30センチの星の図形を正確に50倍拡大した地上絵を完成させた。

 児童の一人は「細かい調整が難しかったけど楽しかった。算数は苦手だけど、こういう授業なら毎回やりたい(笑)。最近習ったばかりの算数が、被災地の人たちのためにも役立っているなんてすごい」と笑顔を見せる。

 クラス担任の男性教諭は「私たちにはなかなかできない貴重な授業。地域の方々に関わってもらえることもありがたい。子どもたちには、『算数は役に立つ』ということを今後の人生のどこかで思い出し、生かしてもらえれば」と話す。

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