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「春の高山祭」開催迫る-94年ぶりに新調したからくり人形「三番叟」お披露目も

熱のこもった稽古に励む「三番叟(さんばそう)」からくり操者とはやし太鼓の子どもたち

熱のこもった稽古に励む「三番叟(さんばそう)」からくり操者とはやし太鼓の子どもたち

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 飛騨高山まちの博物館(高山市上一之町)で4月10日、「三番叟(さんばそう)」屋台組によるからくり奉納の全体稽古が行われた。老朽化により94年ぶりに新調されたからくり人形と装置は、今月14日・15日に開かれる「春の高山祭(山王祭)」で一般に初披露される。

新調された「からくり人形」

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 「三番叟」は春の高山祭に引きそろう12基のまつり屋台の一つで「からくり人形」を搭載している。「童子」が「神謡(かみうた)」に合わせながら空中で「扇」と「鈴」を両手に捕らえ、玉手箱をのぞき込むと一瞬にして「翁(おきな)」に変わってしまうという「早変わり」のからくりが特徴。

 同屋台組ではこれまで、1918(大正7)年に作られた4代目のからくり装置と人形を使っていたが、老朽化により操作に支障が出てきたため、国と市から9割の補助を受け1,100万円かけて今年4月に新調した。

 5代目となるからくり人形はこれまで黒い着物を着ていたが、3年前、2代目のものと思われる衣装が同屋台蔵から発見され、川島織物(京都市左京区)の協力でこれを復元し、緑色の上着と朱色のはかまに一新した。

 人形胴体やからくり装置、小道具の製作は地元の職人で組織する「高山・祭屋台保存技術協同組合」が担当。「飛騨の匠(たくみ)」の技が存分に生かされている。新たな変更点は、これまで糸を取り外していたためできなかった「人形の足踏み操作」ができるようになった点。これに伴い操作糸の数も2本増えて計22本となった。

 同屋台組からくり部長で、この道40年というベテラン操者の岡本清一さんは「からくりの装置も人形も全部変わった。変わってないのは人間だけ。そっくりそのまま一新したが、まだ糸や装置が固くなじんでないので、本番まで微調整を繰り返しながら仲間と息を合わせていきたい」と話す。「見どころとなる『空中得物3点(扇・鈴・翁面)』は何としても成功させたい。たくさんの方々に『童子』の勇姿を見せられるよう頑張りたい」」とも。

 今回の「春の高山祭」はほかにも、50年ぶりとなる男児の「神楽舞」復活、25年ぶりとなる「麒麟(きりん)台」屋台ばやし生演奏など、見どころが多い祭となる。高山市では2日で約20万人の人出を見込んでいる。

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