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寺院の「使いかけろうそく」を途上国に-高山の仏壇店で中学生が仕分け作業

「残ろう」を仕分けする生徒ら

「残ろう」を仕分けする生徒ら

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 高山の仏壇店「仏壇工芸 ほりお」(高山市三福寺町、TEL 0577-33-6686)で6月5日、地元中学生が協力し、発展途上国へ送る「残ろう(ざんろう=使いかけろうそく)」の仕分け作業が行われた。

仕分けを終えた「残ろう」

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 同社では、寺院から集めた「残ろう」を電気のない国の学校などに送る支援活動を昨年から行っている。社長の堀尾雅紀さんは「知り合いの僧侶から、日本では法要や葬式の際、新品のろうそくを使う風習があるため、寺院には『残ろう』が山ほどあり、使いきれず捨てられず困っていると聞き、何か解決法はないかと思ったのがきっかけ」と話す。

 堀尾さんはその後、発展途上国にろうそくを送る活動をしているNGOの存在を知り、昨年、僧侶を介して高山市内の100以上の寺院に呼び掛けたところ、2カ月で約1万2000本のろうそくが集まった。現地では、風が吹いても消えにくい和ろうそくが特に喜ばれているという。

 「2年目となる今年は、飛騨地域にある150以上の寺院に呼び掛け範囲を拡大したほか、この活動を若い世代にも知ってもらおうと思い、地元中学に仕分け作業をお願いした」と堀尾さん。当日は、社員が半年かけて集めたという段ボール箱8箱分の「残ろう」約8000本を、近隣中学の女子バレー部員生徒19人が選別・仕分けした。

 作業を終えて、中学2年生の女子生徒は「私たちは電気があるので暗くなってもバレーができるが、電気のないところで頑張って勉強をしている同年代の子がいることを知って心打たれた。大会と重なって先日の廃品回収に出られなかったが、今日は誰かの役に立つ活動ができてよかった」と話していた。

 堀尾さんは「使いかけろうそくを集める活動は今後もずっと続けていく。同時に、ろうそくの海外輸送費に充てる『書き損じハガキ』も受け付けているので、当社まで提供していただけるとうれしい」と話す。

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