飛騨市古川町の「鮎ノ瀬(あゆのせ)保育園」で11月6日、来春廃園となる2つの保育園の園児たちを集め、卒園生が企画した「お別れ会」が行われた。
飛騨市古川町にある「鮎ノ瀬(あゆのせ)保育園」と「鷹狩(たかがり)保育園」は、耐震強度の問題や少子化により今年度をもって廃園となり、来年4月に新設する民営の「さくら保育園」に統合が決定している。
同会を企画した長坂将志さんは、30年前の鮎ノ瀬保育園卒園生で、現在は東京都港区で広告代理店を経営する地元出身者。
「実家の姉から1カ月前、めいが通っている(鮎ノ瀬)保育園が無くなるという知らせを聞いた。自分もかつて通っていた思い出深い保育園。恩返しというほどでもないが、最後の保育園での楽しい思い出作りに何か協力できないかと思った」と長坂さん。
姉の椙崎伊寿美さんは「弟から、『園がなくなる前に何かお楽しみ会のようなものを開きたい』と相談され、鮎ノ瀬保育園の園長にお願いしたところ快く承諾していただいた」と話す。
当日、会場には両保育園から園児133人が集まり、長坂さんの友人でミュージシャンの仁井山征弘さんが「ミニコンサート」を行った。ゆるキャラ「お猿のくぅ」も高山市から応援に駆け付けた。
仁井山さんは、マイクを使ってボイスパーカッションやヘリコプター、バイク、自動車の音などを園児たちに披露したほか、「NHKみんなのうた」でルー大柴さんと歌った曲「MOTTAINAI~もったいない~」やご当地ソングの持ち歌「ジンギスカン」の振り付けをレクチャー。曲がかかると園児たちのテンションは一気にヒートアップ。歌に合わせて力いっぱいダンスを踊り楽しんだ。
ステージを終え、仁井山さんは「小さな子どもたちから逆に大きなパワーをもらった。今日みたいな瞬間があるから、『音楽やっててよかったな』と心底思える。うれしかったし、楽しかった」と振り返る。
長坂さんは「こんなに喜んでもらえるならば、もっと早く来ればよかったと少し後悔。途中、楽しそうな子どもたちの姿を見ながら感動でぐっときた。本当にやってよかった」と笑顔を見せる。
姉の伊寿美さんは「あの甘ちゃんだった弟が…。今回は『よくやった』と褒めてあげたい(笑)。企画に関わってくださった方々への感謝を胸に、今後もいろいろな方面で頑張ってほしい」と長坂さんにエールを送った。