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高山に「招福蔵」-地元コレクター所有の「福助」ずらり1000体

コレクション1号の「福助人形」手にする黒田さん

コレクション1号の「福助人形」手にする黒田さん

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 高山の「老田酒造店」店内にある「蔵小路」(高山市上三之町)に4月2日、地元在住の「福助人形」コレクター・黒田隆一さんの展示館「招福蔵」(しょうふくぐら)がオープンした。

珍しい「黒田コレクション」の数々(関連画像)

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 老田酒造店は、2008年7月に高山の観光名所「古い町並み」中心地に位置する「土川邸」を同店の小売店舗に改装したもので、店内奥へと続く「蔵小路(くらこみち)」には、土川邸の土蔵空間をそのまま活用した雑貨店などが軒を連ねる。

 同館は、その一角でもこれまで「開かずの蔵」として長年保存されてきた「文書蔵(通称、金庫蔵)」を活用。館内には、高山市在住の菓子職人・古物商で国内有数の「福助人形」コレクターとして知られる黒田隆一さんが所有する江戸中期から昭和30年代の「福助人形」約1000点が壁一面に並ぶ。

 黒田さんと福助の出合いは20歳のころ、江戸時代作という一体の「福助の土人形」偶然手にしたことがきっかけ。「3・4体目あたりから完全にハマり、古物商仲間などの協力も得ながら数を増やし続け、書籍、ポスター、看板、陶器類、歌舞伎物(中村福助)、レコードといった珍品まで、とにかくありとあらゆる『福助』関連品に手を出した(笑)。以来40年、気がつけば足の踏み場もないほど福助に囲まれていた」と笑う。

 「展示品はほんのごく一部。自宅には土人形だけでもこの倍以上、コレクションを全部合わせたら5000点以上あるはず。8年ほど前には『福助足袋』の会社の人が訪ねてきたことも。『余裕でうちのコレクションよりある』と驚かれ、もちろん福助人形もしっかり頂いた(笑)。でも一番のお気に入りはやはり初めの一体」と目を細める。

 これまで「黒田コレクション」は、うわさを聞いて訪ねてきたごく一部の人にしか公開してこなかったという。「展示しようにも適当な場所がなく、今回『開かずの金庫蔵』を貸してもらえると聞いて、一大決心した」と黒田さん。「縁起の良い福助さんの『福』にあやかれる『開運』パワースポットとして多くの方々に親しんでもらえれば」とも。

 「かつて落語家の林家こぶ平さんと一平さんが私の福助を見に来られて、程なく正蔵、三平を襲名した。ほかにもそういった話には枚挙にいとまがないので、多分効果は折り紙付き。景気の悪いニュースが多い世の中、この場所を訪れた人に少しでも福が授かれば」と笑顔を見せる。

 開館時間は10時ごろ~16時ごろ(仕事の都合により変動あり)。入館無料。

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