高山の市民団体「結(ゆう)ねっと」(高山市下三之町)が4月23日、空き田畑や耕作放棄地の分譲レンタル事業を始めた。
この日、高山郊外の耕作放棄地で行われた開墾(かいこん)作業には、本年度借り主となる家族や同団体の会員など10人とヤギ2匹が参加。全員で協力して雑草の覆う約150坪の土地を除草した後、面積の半分を小型耕運機やくわで耕し、ジャガイモなど思い思いの作物を植えた。
参加者らは「自ら開拓したことで達成感と畑にたいする愛着が湧いた。おとなしくてかわいいヤギにも癒やされながら汗を流し、充実した一日を過ごせた。団体の会員の中には農業のプロもいらっしゃり、困った時にいろいろ聞ける点も心強い」と話す。
同団体代表の田堀文範さんは「最近、『小さくていいから自分の畑を持ちたい、気軽に農業を体験したい』といった話をよく耳にする一方、『先祖代々の田畑で売る気はないが、飛び地だったり兼業だったりで、農業を続けながら維持するには負担が大きく困っている』との声を聞いていた。そこで双方のニーズを解消する案として、手始めに当会員所有の土地でレンタルの募集をしたところ、反響があった」と話す。
レンタル料金は、約25坪で年間6,000円(畑打ち、うね作りサービス込み。交通アクセス、水場、面積など立地条件により多少の料金変動あり)。農耕具の貸し出しはなし。遠方からの申し込みも可(要相談)。おなかの減り具合などタイミングによってはヤギの出張サービスも。「除草というより草刈り程度ですが(笑)」と田堀さん。
「そろそろ野菜の種まきや苗植えシーズンの最盛期。空き地はまだまだあるので、畑に興味のある方はこの機会にぜひ。逆に耕作してほしい土地の募集も随時受け付けている。団体では今後も、持続可能な地域社会の構築をコンセプトに、無理せず自然体で有言実行の取り組みを展開していきたい」と意欲を見せる。
問い合わせは同団体(TEL 0577-35-6777)まで。