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高山の小学校で「二分の一成人式」-小4児童が保護者に成長と感謝伝える

涙ぐみながら感謝を伝える手紙を互いに読み合う児童と保護者たち

涙ぐみながら感謝を伝える手紙を互いに読み合う児童と保護者たち

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 高山市立南小学校で3月6日、成人の半分となる10歳の節目を記念した「二分の一成人式」が初めて開催された。

成長の記録をつづったスライドショーを鑑賞する児童と保護者たち

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 当日は、年度末までに全員が10歳となる4年生児童83人とその保護者が参加。学年主任教諭の長谷川威郎さんは「10年ほど前に国語の教科書に掲載されていた授業の題材がきっかけで、全国各地の小学校に近年広まっている行事。親が子育てを振り返り、子どもが今後の夢や目標を明らかにすることで、共に成長を実感する良い機会になれば」と話す。

 児童たちはこの日、保護者の前で跳び箱、縄跳び、リコーダー、歌、模擬授業など自らで企画したという成長の成果をそれぞれグループに分かれて披露。中には「2012年、クラスの忘れ物は何個だったでしょう?」といったユニークな学級クイズを披露するグループ発表も飛び出した。

 「子どもが親に見せたい得意なものが予想外で面白かった」と話す保護者の一人は「自分の子どもが塾に行ってもいない『そろばん』を披露したのには驚いた。家ではそんな素振りを見せたこともなかったのに…。親が知らないうちに自信をつけて成長していたんだなと胸が熱くなった」と目を潤ませる。

 発表後は体育館で、児童が幼児のころの写真と4年生1年間の思い出を振り返るスライドを上映したほか、合唱や「呼び掛け」、児童が自ら10年間の成長を振り返り編集した「自分新聞」と「未来の自分」を描いた絵を前に、保護者に将来の夢や今後の目標などを報告した。ハイライトでは両者が対面し、「ここまで大切に育ててくれてありがとう」と子どもから親へ感謝の気持ちを伝える手紙を朗読し手渡した。

 保護者らが親から子どもへ宛てた手紙を朗読するという児童へのサプライズ演出もあり、互いに涙を流しながら向き合う両者の姿を見て、その場に居合わせた教諭に加え取材中の報道関係者までもが感動して思わず全員もらい泣きする一幕も。

 行事を終え、保護者の一人は「子どもへの手紙を書いている時点でもう泣けて仕方なかった。月並みだがこの10年間はあっという間だった。もう10年後には手元を離れているかもしれないと思うと寂しいが、今まで以上に時間を大切にしながら子どもの大きな夢を応援したい」とほほ笑む。

 「(親からの手紙は)先生から聞いてなかったので、びっくりしてつい泣いてしまった」と照れ笑いする児童たちは口々に、「今日帰ったら家の手伝いをしたい」「これからはあまり親に怒らないようにする」「今日の手紙を大事にとっておいて、10年後にまた手紙を書く」「もっと野球を頑張って絶対メジャーリーグの選手になり、親に楽をさせる」などと話していた。

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