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飛騨各地の中学校で卒業式-東山中では伝統の「卒業みこし」も

卒業5期生の恩師・松井健治さんを担ぐ生徒たち

卒業5期生の恩師・松井健治さんを担ぐ生徒たち

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 飛騨各地の中学校で卒業式が行われた3月8日、高山市の東山中学校(松之木町)では恩師に3年間の感謝の気持ちを伝える伝統の「卒業みこし」が今年も披露された。

クラス担任の名言や似顔絵で飾られた「卒業みこし」

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 1977(昭和52)年、4中学が合併した同校の創立当初から続く「卒業みこし」は今年で36回目。卒業する3年生の生徒127人はこの日、「担任に内緒でクラスごとに放課後集まって自主制作した」という手作りみこし4基に恩師らを乗せて、在校生や保護者の歓声と拍手に包まれる花道を担ぎ歩いた。

 始まりは、同校の卒業1期生が式典後の歓送会でお世話になった恩師を肩車や騎馬戦の騎馬に乗せて練り歩いたことから。以降毎年その伝統が卒業生に受け継がれ、5期生時代には折り紙で飾り付けた「先生の自転車」やみこしの原型となる「渡り廊下」が登場。このことをきっかけに「乗せ物の開発」に拍車がかかり、安全性を高めていくうちに現在の形になったという。

 「ついに今年初めて卒業みこしに乗る」と感慨深げに話す3年副担任の松井健治さんは31年前、渡り廊下を使った卒業5期生。みこしに乗り終えた松井さんは「私たちが卒業の時に悪乗りして使った渡り廊下が今やこんな立派なみこしになって…(笑)。もちろん乗り心地は最高、感無量の思い。重いのに一生懸命下で支えてくれた生徒たちに感謝したい」と話す。

 3年クラス担任の石地千佳子さんは「生徒たちが名付けた『八重歯の女王』はいいとして、頭にツノが付いているのが少し気になるが(笑)、名言集とか、私の言った言葉をちゃんと覚えていてくれたんだなと思い感激もひとしお。数々の逆境に打ち克(か)ってきたこれまでの経験を生かし、自分の道を切り開いていってほしい」と生徒たちにエールを送った。

 卒業生の一人は「爆笑したり言い争いをしたり、苦労して作った卒業みこしもこれでおしまいだと思うと寂しいが、最後にみんなで笑うことができて楽しかった。肩と手に伝わってくる先生の体重が、思っているより重かったり軽かったりして、なぜかそれが胸にグッときた。自分たちが先生や先輩から学んだ『東山(ひがやま)魂』をこれからも持ち続けたいし、後輩にもそれを受け継いでいってほしい」と笑顔を見せる。

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