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高山で地域通貨「マーレ」発行へ-「木のお金」製作急ピッチ

手作り地域通貨「マーレ」の制作現場風景

手作り地域通貨「マーレ」の制作現場風景

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 高山市一之宮町の「山と森のお援け隊・薪ステーション」で現在、ヒノキの間伐材を利用した地域通貨「マーレ」の製作が進められている。

「マーレ」製作チームの面々

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 「木」がテーマの飛騨高山文化芸術祭「こだま~れ2013」イベント内で使える地域通貨として発行する同通貨。「NPO山と森のお援け隊」(千島町)が森林整備事業で切り出したヒノキの間伐材を使い、表面には単位を表す「100(マーレ)」とイベントロゴなどを焼きごてで押し印している。

 価値は1マーレ=1円に相当。発行枚数は5000枚(50万マーレ)。通貨を使えば使うほど高山市内の山林から間伐材が減る仕組み。来月22日・23日に開催するイベント「こだまっていこう!in飛騨の里」から発行し、ワークショップや体験イベントなどに使える通貨として高山市内で流通させる予定。

 マーレ製作は現在、会社や公務員を定年退職した67歳~75歳の地元男性隊員5人が担当。間伐材の材料調達から切断、成型、仕上げに至るまで全て手仕事で作業に当たっている。

 この日、サンダーで木材の研磨を担当していた佐藤和平さんは「想像と実際はやってみると大違い。仲間内には大工などの本職がおらず、道具もなかったので、最初は木の扱いや作業の勝手が分からず苦労した。毎日みんなで悩みながら試行錯誤するうちに、必要な工具やコツが次第に分かってきた。今思えば、よくあんな道具でやっていたと思う(笑)。もう大丈夫」と笑顔を見せる。

 佐藤さんらはマーレのほか、銭湯イベントに使うメッセージ木板の制作も担当。「子どもたちに受け入れてもらえるか心配だったが喜んでもらえたと聞き、やりがいを感じた。今は作業中にハート型のなど面白い木を見つけると、子どもの顔を浮かべながら大事に削ったりして励みにしている」と話す。

 「現在の製作枚数は約2000枚。ゴールデンウイーク中は田植え作業などもあり、少し生産量を落としたが、ここから急ピッチで仕上げ6月イベントの発行に間に合わせる」と意気込む。

 同NPO理事長の坂尻修さんは「間伐材の有効活用としては微々たる貢献かもしれないが、多くの人に日本の山林事情の現実を知ってもらうきっかけになれば」と期待を寄せる。

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