高山のラジオ局「ヒッツFM」のパーソナリティー･佐田鐘子（さた･しょうこ）さんが5月23日、新曲「追いかけて高山」でホリデージャパン（東京都港区）からCD歌手としてメジャーデビューを果たした。同日、高山市内のCD店「吉村ミュージックセンター」（高山市朝日町）で新曲披露のキャンペーンリサイタルが行われた。

初キャンペーンリサイタル会場の様子

　佐田さんは高山市在住。地元の観光バス会社でバスガイドとして長年活躍し、ガイドの教育係などを歴任。その後、高山のコミュニティーFMラジオ局「ヒッツFM」（名田町）で開局以来15年間、パーソナリティーとして演歌番組の担当やイベント司会などを務めている。

　佐田さんは「歌は小さいころからずっと大好きで、頼まれては人前でよく歌っていた。歌好きが高じてバスガイドやラジオパーソナリティーの職を長年やってきたが、これまで歌手志望のつもりは全くなかった。今回の件は自分でもびっくりしている」と話す。

　歌手デビューのきっかけは昨年9月、愛知県小牧市で行われたカラオケ大会だった。同大会の司会を務めていた佐田さんは、当日の審査委員長でゲスト歌手のシンガー･ソングライター「しいの乙吉（おときち）」さんから「CDを出してみませんか」と歌手の道を勧められたという。

　「大会前日、何十年ぶりかにばったり出会った旧知の友人が、しいのさんの弟子だったことが最初のきっかけ。不思議な縁を感じた」と佐田さん。「私は団塊の世代。当初は年齢的な不安もあったことから乗り気ではなかったが、家族や周りからの後押しもあり、歌手への挑戦を決意した」と話す。

　デビュー曲「追いかけて高山」とカップリング曲「あなたと歩きたい」は、佐田さんの要望を聞いたしいのさんが作詞･作曲を手掛けた。「一つは高山の曲、もう一つは、人生を前向きに捉えて生きるスケール感の大きな曲を、とお願いした。どちらの曲もしいのさんの世界観と魅力にあふれていて、とても気に入っている。」と佐田さん。

　高山市内で行った初キャンペーンリサイタルには、地元ファン100人ほどが祝福と激励に駆け付けた。会場では新曲のほか、演歌、歌謡曲、シャンソンなど数曲を披露し、「これまでは、はっきりと滑舌良く話すことを心掛けていたが、歌では『言葉に息を吹きかけなさい』と言われ戸惑った」というレコーディング秘話を明かしたほか、佐田さん本人が新曲の歌唱指導も行った。

　リサイタルの最後に佐田さんが「ここからがスタート。ぜひたくさんの方々に聴いていただき、歌っていただければうれしい。頑張りますので応援よろしくお願いします」とあいさつすると、会場はあたたかい拍手に包まれ、歌手として新たなスタートを切った佐田さんに大きなエールが送られた。

　デビューシングルの価格は1,200円。全国のCD店や大手通販サイトで取り扱うほか、通信カラオケ各社でも配信している。7月1日には高山市内でディナーショーも予定。