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飛騨の匠と最新音響システムがコラボ第2弾-ドングリ形イヤホン発売へ

「Donguri-欅」。Y型コードの長さは1.2メートル

「Donguri-欅」。Y型コードの長さは1.2メートル

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 飛騨の木工メーカー「オークヴィレッジ」(高山市清見町)とカスタム音響メーカー「音茶楽(おちゃらく)」(東京都世田谷区)が10月18日、カナル(耳栓)型イヤホン「Donguri-欅(けやき)」を完成させた。

「Donguri-欅」の構造断面図

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 オークヴィレッジの木工職人が持つ匠の技と音茶楽の特許技術である新型音響システムを融合した同商品は、昨年秋に発表したカナル型イヤホン「Flat4-楓-」に続く純国産コラボレーションモデルの第2弾。重さは約21グラム。周波数特性は5~3万ヘルツ。

 「耳にドングリを詰めているような」装着形が見る者にインパクトを与えるリアキャビネットは、木目の美しさが際立つよう植物性オイルで仕上げた国産ケヤキのムク材を使用。数ある木材の中でもケヤキは音の伝達スピードが早いため音響機材に適した特性を持っているという。オークヴィレッジの佐々木一弘常務は「イメージとしては『極小の和太鼓』だと思ってもらえれば」と話す。

 木材加工に当たっては前回同様、専用の特殊工具を作るところから始めた。「ドングリはオークヴィレッジの理念を表すシンボル的存在。加工物の大きさは約1センチ、100分のミリ単位で誤差が許されないデリケートなレギュレーション。今回も職人魂を大いに刺激された。ケヤキは非常に硬く粘りがある反面、ちょっとした木目のあやで割れてしまう危険度が高いため、部材選びは慎重に吟味を重ねた。芯材の中でもマグロでいう大トロにあたる部位のみを厳選した」と佐々木さん。

 音響システムは、音茶楽の山岸亮社長が樹脂ネジメーカー・日本ケミカルスクリュー(東京都世田谷区)と3年間の共同研究の上、新開発した特許技術「トルネード・イコライザー」方式を採用。ステンレス削りだしのフロントキャビネットに密着する樹脂ネジにより、これまでカナル型の弱点だった外耳道での強烈な共振(高音域の刺さり)を抑えることに成功したという。

 「ドングリイヤホンは新旧技術の結晶体」と山岸さん。音の振動を伝えるエレメントには、ソニー在籍中の約30年前に山岸さんが特許を取得したという「アコースティック・ターボ回路」を内蔵。10ミリ径のダイナミックフルレンジドライバーと強力なネオジウムマグネットを使った磁気回路なども装備し、サイズを超えた重低音の伸びと中音域感度向上の両立を実現した。

 「名付けて『トルネード・ターボ』システム。ほかにも特徴として、遮音性がアップし不要な振動も軽減されているため、超低音域から超高音域までスムーズに再現できるようになった」と自信を見せる。

 価格はオープンプライス(音茶楽 Sound Customize販売予定価格=4万5,150円)。初回生産は200セット。オークヴィレッジ・ショールーム、音茶楽Sound Customize(東京都世田谷区)、フジヤエービック(同中野区)で11月23日に販売開始。正式発売に先駆け、10月26日・27日に東京で開かれる「秋のヘッドフォン祭2013」(フジヤエービック主催)と、11月9日・10日に京都中央郵便局(京都府下京区)で行われる試聴イベント会場内で少量を先行販売する予定。

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