下呂市萩原町奥田洞の国道41号線沿道に2月2日、下呂警察署のヒーローキャラクター「ゲロッピィ」の雪像が登場した。製作は萩原町商工会青年部地域活性化委員会・雪だるま委員会。
同委員会が毎冬、町おこしの一環として取り組んでいる時事ネタを題材にした雪像作りは今年で24回目。ゲロッピィをモデルに選ぶのは今回が初めて。沿道では現在、冬の雪道での交通事故防止を呼び掛けるゲロッピィ雪像が、道行くドライバーや地域住民の安全に目を光らせている。
イラスト版ゲロッピィの顔をかたどった雪像の大きさは、高さ3.3メートル、幅1.5メートル。製作は前夜の雪固め作業に始まり、翌朝6時から15時まで委員会メンバー25人がトータル14時間かけて完成させた。
雪像用の雪は例年、近くの林道から調達するが、今年は雨で雪が消えてしまったため、急きょ「パスカル清見」(高山市清見町)に協力を仰ぎ10トンダンプ3杯分が運び込まれた。同会委員長の桂川卓也さんは「助けていただいたおかげで今年も雪像を作ることができ本当に感謝」と話す。
会場では同日、下呂警察署長が萩原町商工会青年部へ感謝状を贈ったほか、冬眠から一時目覚めたゲロッピィがテーマソングと共にワゴン車から飛び出すサプライズも。テープカットに参列したゲロッピィは、寒さに震えながらも来場者の記念撮影にガッツポーズで応えるなど喜びをあらわにしていた
活動限界を過ぎ足早に会場を後にするゲロッピィを見送った同署員は「地元名物の雪像のモデルにしていただき光栄。ゲロッピィは春まで冬眠するが、ドライバーの方は決して居眠り運転などしないよう気を引き締めて日々の生活を送ってほしい」と呼び掛ける。
雪像は、地元の小学児童が考えた「ありがとう 交通安全 ゲロッピィ」の標語看板と共に、3週間ほど沿道に展示される予定。
下呂署に帰還したゲロッピィにはこの日、もう一つうれしい知らせが。ゲロッピィ3兄弟宛てに鳥取県米子市から年賀状が1通届いており、今年の年賀状はこれで1.5通に増えた。送り主への返信は最大の理解者を通じすでに投函(とうかん)済み。ゲロッピィは温かいメッセージの書かれた文面にじっと目をやり、「春になったら冬眠明けの兄弟にも早く見せたい」と喜びをかみしめながら再び眠りについた。