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高山で「のこぎり研ぎの神様」長津勝一さん講座-「研ぎの極意」

のこぎり研ぎ職人の長津勝一さん

のこぎり研ぎ職人の長津勝一さん

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 高山市図書館「煥章館」(かんしょうかん、高山市馬場町)で3月8日・9日、学習講座「のこぎり研ぎの神様・長津勝一さんが伝える『研ぎの極意』」が開かれる。主催は高山市生涯学習課(TEL 0577-35-3155)。

のこぎりを研ぐ長津さん

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 講師を務める長津勝一さんは、京都市内に工房を構える81歳の現役「のこぎり研ぎ」職人。長津さん独自の研ぎ理論に基づいた刃の形状を持つ「長勝鋸(ながかつのこぎり)」は、一般に流通する工業製品をはるかにしのぐ驚異的な切れ味で知られ、その断裁能力は五寸くぎを数本打ち込んだ角材をくぎごと軽く切り落とすほど。

 本講座をサポートする高山市在住の大工職人・吉武智治さんによると、長津さんは大工道具の世界では知る人ぞ知る伝説の人物で、「のこぎり研ぎの神様」「のこぎりの革命児」と呼ばれている。これまで、ドイツ、チェコ、フランス、イギリスなどヨーロッパ各国でも職人の技術指導に当たってきた。

 長津さんは「飛騨の匠(たくみ)といった伝統を大切にする地で、地元の方々とお会いできる日が楽しみ」と話す。当日は、道具の視点から見た木の文化や「切れるのこぎりの仕組み」を理論的に解説するほか、広葉樹用、針葉樹用など用途に合わせた「長勝鋸」の木びき体験などを行う。

 吉武さんは「機械目立ての替え刃式や安い使い捨てのこぎりが爆発的に普及している現代では、世界最高水準の職人技術を持つ長津さんの存在も、残念ながらごく一部の人にしか知られていない」と嘆く。

 「良い道具を使うと誇りを持って自分の仕事が楽しめるだけでなく、物を大切にする心や感謝の気持ちも自然と芽生える。職人の魂が入った業(わざ)物のすさまじい切れ味を多くの人に体感してもらい、長勝鋸の理論と技術が後世に引き継がれるきっかけになれば」と期待を寄せる。

 開催時間は8日=19時~21時、9日=10時~12時。参加無料。定員は各50人。申し込みは、高山市のホームページと電話、ファクスで受け付ける。

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