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高山で「新作土産品審査会」表彰式-最優秀賞は「つみぼぼ」

最優秀賞を受賞した「TSUMIBOBO(つみぼぼ)」

最優秀賞を受賞した「TSUMIBOBO(つみぼぼ)」

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 高山市役所で3月26日、2011年度「新作土産品審査会」入賞者の表彰式が行われた。最優秀賞には「白百合工房」(高山市国府町)製作の「TSUBIBOBO(つみぼぼ)」が選ばれた。

それぞれの新作土産品を手にする入賞者ら

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 高山の新たな土産品発掘と地場産業の育成を図る同審査会は29回目。先月末に行われた審査会には高山市内から民芸品・工芸品・食品業者合わせて23点の応募があり、その中から最優秀賞1点、優秀賞3点、奨励賞5点を選んだ。

 「TSUBIBOBO」(1箱16ピース入り=6,300円)は、飛騨の郷土民芸品「さるぼぼ」の形を模した長さ約8センチの木製玩具。「頭部」は飛騨産のカエデ、「胴体部」には岐阜県産のスギの間伐材を使い、絶妙な重量バランスと形状による積み木遊びがパズル感覚で楽しめる。「地元産の木材を使い、飛騨らしいデザインと老若男女問わず誰にでも楽しめること」が受賞のポイントとなった。針葉樹と広葉樹という原材料の取り合わせも世界であまり類を見ない珍しいものだという。

 製作者の上野望さんは元小学校教諭。11年前、木工職人の父の後を継ぎ、以来、家具と木製玩具作り一筋。「『子どもと木のおもちゃ』が永遠のテーマ」と上野さん。同商品開発のきっかけについて、「本来『さるぼぼ』というのは、その家の大人が子どもの健康や安全を願う守り神としてわが子に持たせたもの。飛騨でも薄れつつあるその思いを、もう一度呼び起こしたかった」と話す。

 「われわれ玩具職人の世界には『おもちゃ自給率』という言葉があるが、木製玩具に関していえば国内産の自給率はわずか5%未満。安価なものは中国、高価なものはヨーロッパに席巻されている。この国には質の良い木製玩具の歴史があり腕の良い職人もたくさんいるのに…。この状況を少しでも変えていけたら」と上野さん。「加工の難易度は高いが針葉樹の間伐材利用も重要な要素」と話す。

 同商品は昨年、美濃市全域の保育園で3カ月かけてモニタリングが行われ、保育士や現場の子どもたちの声を重ねて改良を繰り返し完成した。現在では認知症治療の研究機関でも採用されているという。

 審査会では、優秀賞に「奥飛騨ドラゴンフルーツジュース」(FRUSIC=奥飛騨温泉郷栃尾)、「トマトナデシコ」(マルオリ=丹生川町)、「カラープリンター対応ハガ木」(沢匠工房=漆垣内町)、奨励賞に「フリーカップ」(戸沢漆器=上一之町)、「飛騨高山チーズケーキ(すくなかぼちゃ)」(ノアドココ=西之一色町)、「飛騨牛ラーメン」(飛騨唐辛工房=高根町)、「飛騨のオリジナルビア・ソーセージ」(飛騨高原ハム=国府町)、「ガッツメン」(柿下木材工業所=下切町)が、それぞれ入賞を果たした。

 新作土産品は市庁舎1階ロビーで4月1日から1年間展示するほか、高山市ホームページで紹介する予定。

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