高山で3月21日~23日、「日本再発見塾」呼び掛け人メンバーで作家の塩野米松さんと同塾実行委員会メンバーらによる合宿が行われた。主催は東京財団がサポートする日本再発見塾実行委員会。
高山市内で6月2日・3日に開かれる「第8回 日本再発見塾~これでいいのか、飛騨高山」に先駆け行われた同合宿。塩野さんと東京の学生実行委員会メンバーらは3日間の行程で高山市内各所を巡り、景観の視察や地元民との対話などを行った。
市内巡りを案内した同塾呼び掛け人で高山市在住の左官職人・挟土秀平さんは「今、自分が職人として高山で感じている『景観へのこだわり』のズレや違和感を、塩野さんのような目利きの方に見ていただこうと思った」と話す。
塩野さんは「本来、人間というのは『自分が暮らしやすい生活の場所』をつくるもの。その街の人が感じる幸せの方向はその街の人が決める事」と話した上で、「高山は日本の観光地が持っている問題点が見えやすい場所。今回の再発見塾をきっかけに、この街に住む人がどんな方向に幸せを見いだすのか興味がある」と再発見塾開催に向けての思いを語った。
塩野さんは合宿を振り返り、「市内巡りの途中、丹生川町北方周辺の集落で見た『あずましい家』が印象に残っている。『あずましい』とは、『落ち着いた風情のある』という方言で、そこに立っている、生活に根付いた住みやすそうな家々と石垣に美しさを感じた」と話す。
次回合宿は5月上旬、料理人・野崎洋光さんを高山に招く予定。