食べる 暮らす・働く 学ぶ・知る

飛騨河合で初の「山菜市」-地物山菜ズラリ、アカツメクサの天ぷらも

山菜販売では食べ方が分からない人のために調理例の試食も

山菜販売では食べ方が分からない人のために調理例の試食も

  • 0

  •  

 飛騨市河合町の温泉コミュニティー施設「ゆぅわ~くはうす」周辺で6月2日、「飛騨かわい山菜市」が開催された。

アカツメクサの天ぷら

[広告]

 「飛騨の宝である山菜を知り、学び、食べて地域の豊かさを実感してもらおう」と企画した同イベントの開催は今回が初めて。当日は、幻の山菜といわれる「モミジガサ」をはじめ、ワラビ、ゼンマイ、ヒメタケ、ウド、ワサビ菜など地採れの山菜を格安で販売する「山菜特価市」をはじめ、バラの花のジャムやアイスクリームなどの地元特産品、イワナの塩焼き、ヒメタケの姿焼き、山菜焼きそばなどが並ぶ「飛騨の味覚市」、「ヒメタケ皮むきゲーム」、「子ども木工教室」などが行われた。

 イベント会場内の「ゆぅわ~くはうす」2階レストランでは「山菜市」限定メニューを用意。ヨモギとカボチャベースのルーに、フキ、タケノコ、クグミ、ワラビを入れた「山菜カレー」、山菜料理バイキングでは、「アズキ菜とサンショウのつくだ煮」「山菜のサラダ」「ウドのグラタン」「アカツメクサの天ぷら」「スギナの天ぷら」など20種類以上を並べ、訪れた来場客らは珍しい山菜料理に舌鼓を打った。

 主催の河合町地域振興協議会「山菜&山野草活用部会」事務局長を務める千澤口(せんじゃく)勇さんは「飛騨市は岐阜県内で一番山菜や山野草が豊富な地域だが、河合町ではここ5年間ほどで山菜や薬草採り名人の数が激減し、現在、山菜の食文化が危機的な状況にある」と話す。

 「一番の理由は高齢化による後継者不足。高度経済成長期時代の急激な食生活の変化が影響しているのか、山菜離れは60代から始まっている。山菜はきれいな水、空気、豊かな土壌という条件がそろって初めて手にできる最高の食材。当然無農薬で身体にもいい。薬のない時代には薬効を知り尽くした地元民が郷土料理とともに生活の中に取り入れていた」と千澤口さん。

 「当協議会は、山菜も含め田舎独自の文化が消えかかっていることに危機感を抱いた地域住民や地元企業がメンバーとなり、昨年夏に立ち上げた自主団体組織。国や自治体からの補助金も一切もらっていない。教育、伝統芸能、食、山菜、雪に特化した5つの部会があり、『山菜市』開催はその第一歩。秋にも同様のイベントを企画しているし、今後も郷土愛を原動力に継続して積極的な活動を展開していきたい」と意欲を見せる。

 同部会では今年4月、「飛騨市山菜&山野草倶楽部」を発足。現在、会員を募集している。年会費は2,000円。入会金無料。全国どこからでも入会可。会員には、山菜買い取り価格約1割アップ、温泉施設の無料入浴券3回分、特産品「雪中酒」の進呈(抽選)、イベント案内や交流会開催など7つの特典を用意する。詳しくは同会事務局(飛騨かわい特産加工内、TEL 0577-65-2069)まで。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース