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高山の乾燥・粉砕加工メーカーが「赤カブ漬けの粉」試作-用途を模索中

「赤カブ漬けの粉」を手にする松永さん

「赤カブ漬けの粉」を手にする松永さん

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 高山市内にある乾燥・粉砕加工メーカー「飛騨高山本舗」(高山市下切町、TEL 0577-62-9978)が飛騨の特産品「赤カブ漬け」の粉末を試作し、現在その使い道を模索している。

試作品の「赤カブ粉」

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 乾燥させた飛騨野菜や、お茶・野菜などの粉砕加工品の販売を手掛ける同社。「赤カブ粉」を試作したきっかけについて、同社社長の松永人史さんは「飛騨野菜を粉末にしてみても、一舐(な)めして『これは飛騨の野菜だ』と分かる人はまずいない。飛騨の特色が一発で伝わる『地元ならではの味の粉は何か』と考えていたところ、飛騨特産の漬物『赤カブ漬け』に思い当たった」と振り返る。

 早速、地元漬物メーカーに協力を仰ぎ「赤カブ漬け」を仕入れて粉末を試作した。粒子の大きさは約10ミクロン。色はピンク色で味や香りは「赤カブ漬け」そのもの。元のサイズに比べ約20%以下にまでダウンサイジングされた「赤カブ粉」だったが、作った後で用途に困ったという。

 「粉その物の商品より二次利用での活用法が有効と考え、取引先の菓子メーカーや食品加工メーカーに持ち込んだが、各社から『面白い』とは言ってもらえても、新商品開発リスクが高いため足踏み状態」と松永さん。

 取引先食品メーカー担当者の一人は、頭を悩ませた結果、新商品の開発ネタになればと自身のフェイスブックウォールに投稿したところ、「まずは、ご飯にまぜて炊いてみる」「赤かぶラムネ!?(想像がつかない味…)どうかな」「焼き菓子、麺類、もち、ロールケーキやシフォンケーキ、シチューの元とか、ふりかけや調味料系」など、さまざまな意見が寄せられた。

 「ネックとなるのは、やはり『独特の香り』。配合割合を変えればクリアできる問題だが、最大の特徴が相反するため、みんなそこで悩んでいる」と松永さん。自身も、粉を混ぜ込んだ自家製ういろうを作ってみたり、ご飯にかけてみたりとさまざまな食品で試しているという。「一番おいしいと思ったのはバニラアイス。団子もおいしかった」と話す。

 「『罰ゲーム』的商品でなく、大勢の人に愛される飛騨の新しい特産品として有効活用できれば。『赤カブ粉』の存在を広く知ってもらうことで、専門の人がそれぞれの分野で有効な活用法を考え、教えていただければうれしい」と松永さん。

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