高山市内の小中学校に勤務する外国語指導助手(ALT)11人が、赴任地域にある名所や特産品などを子どもたちに英語で紹介する「ふるさと英語教材」を完成させた。
子どもたちに身近な地域の魅力を英語で発信する力を身に付けてもらおうと、高山市教育委員会がALTに依頼し一昨年から取り組んでいたもので、地元を題材にした英語学習教材作成は今回が初めて。
内容は、「古い町並み」「飛騨牛」「みだらしだんご」「生きびな祭」「円空」など、ALT目線から見た高山伝統の特産品や名所・祭りなどバラエティー豊かな86項目をリストアップし、小学5年生から中学3年生までの学年レベルに合わせ5段階の難易度で英文を紹介。実際の授業で使ったALT自作の学習プリントや学習指導案なども巻末に収録する。
「さるぼぼ」の例文は、小学5年生で「Sarubobo is very cute. Sarubobo’s face is red. It’s a monkey baby.(さるぼぼはとてもかわいい。顔は赤色です。サルの赤ちゃんです)」、中学3年生では「It is often given to young babies by their grandmothers. It has no face, so it’s a little bit scary.(それはしばしば、祖母から幼子に与えられます。顔がないので少し怖いです)」などが加わる。
編集長を務めたイギリス人ALTのフレディ・メイソンさんは「児童・生徒たちには教材で学んだことを実生活に役立て、外国人を見たら自分から話しかけたりして自信をつけてもらいたい。今回の経験は、私たちにとっても自分が教えている地域を深く知るいい機会になった。先生や子どもたちから地元の話を聞き、インターネットでは見つけられない情報がたくさん手に入り楽しかった」と笑顔を見せる。
「この教材は、新しく外国から赴任してくる先生にとってもそれぞれの学年の子どもの到達目標を理解する良い見本になり、いたずらに授業を複雑にしてしまうことが防げる。後任者はさらに改訂を加え良いものにしていってほしい」と期待を寄せる。
教材は来年度から市内各校に配布し授業で本格活用するほか、要望があれば飲食店や観光・宿泊施設などにも頒布を検討するという。問い合わせは、高山市教育委員会学校教育課(TEL 0577-35-3154)まで。